MAX WALDMAN
日本では 1988年パルコ出版より「マックス・ウォルドマン写真集-MAX WALDMAN ON DANCE」が刊行されるのに合わせ、東京・札幌の同ギャラリーで写真展開催。同写真展はバレエファンから一般の写真芸術ファンまで幅広い観客を集めパルコ・ギャラリー始まって以来の最高の入場者記録を作り、また その写真集は女優の桃井かおりさんに「私の宝もの」といわしめました。
渋谷東急文化村内ショップ「ナディフ」にてポストカード販売
Max Waldman Archives Japan
©Max Waldman Archives
Max Waldman Archives/Japan agent







瞬間と永遠のロマンティシズム
マックス・ウォルドマン
MAX WALDMAN ON DANCE
マックス・ウォルドマンはダンス、演劇の持つ幻想性を微妙な明暗による独特の光と色調で描き出すアメリカのシアタ-・フォトグラファーとして 知られる。
その作品の多くは世界最高峰のバレエ・ダンサーや俳優を被写体にしたモノクロ写真で全米はもとよりヨーロッパ各地で広く紹介されている。
1981年 ニューヨークのスタジオで死去。
彼の描く幻想世界はボッス、ゴヤ、ドーミエ、レンブラントなどの画家、更に彼の愛したルネッサンス、シェイクスピア、クラシック音楽など多くから影響を受けている。
60年代、既にニューヨークでファッション、広告を専門とするコマーシャルフォトグラファーとして成功していたウォルドマンは1971年、
写真集「ウォルドマン・オン・シアター」などでシアターフォトグラファーとしての名声を確立。
その後ソヴィエトから亡命したキーロフ・バレエ団のプリマ・バレリーナ、ナタリア・マカロヴァの撮影を「ライフ」誌から依頼されたことを契機として、
ウォルドマンとダンスとのロマンスが始まる。今も語り継がれるウォルドマンの作品「瀕死の白鳥」はここに生まれた。
「マカロヴァの『瀕死の白鳥』は我々のまさに眼の前で演じられている-音楽が流れ動くはずもない写真が我々の頭の中で動き出すのだ」(クライヴ・バーンズ)
ウォルドマンの才能に魅了された マカロヴァ、ファレル、バリシニコフなど70年代を飾った世界的スターダンサーたちはマンハッタン17番街の彼のスタジオを訪れ、
自らの肉体が舞う、ダンスという瞬時に消え去る芸術をウォルドマンの写真に永遠に残すことを望んだ。舞台と同じメイク、衣装を身に着け、舞台セットとは隔絶された
薄暗い空間で、マックス・ウォルドマンというたった一人の観客のために踊り舞台を再現した。バリシニコフはプティの「若者と死」、P. マーティンス&S.ファレルは
バランシンの「シャコンヌ」といった具合に。
スタジオの小部屋の中で繰り広げられた、瞬間と永遠のロマンティシズムの競演は彼の突然の死まで続いていく。
《主要展覧会》 2010 アンノートン・スカルプチャーガーデンズ
2001 JFケネディー パフォーミングアーツセンター(ワシントンDC)
スタンフォード芸術センター(スタンフォード、CT)
1994 シティー・センター・ニューヨーク(NYC)
1988 パルコ・ギャラリー(東京、札幌)
1987 リンカーン・センター・パブリックライブラリー(NYC)
1986 ロングアイランド美術館(NY)
1977 メトロポリタン・オペラハウス(NYC)
フォト・アート(スイス・バーゼル)
1976 ブルックリン音楽アカデミー(NYC)
1975 グリューネボーン・ギャラリー(NYC)
1970 マサチューセッツ工科大学(マサチューセッツ)
《主要コレクション》
ブルックリン音楽アカデミー(NYC)、コルゲート大学(NY)ジョージ・イーストマン・ハウス(NY)、
近代美術館(NYC-110点)ライブラリー・オブ・コングレス(ワシントンDC)、
レナ・アンド・デヴィッド・ ローガン・ファンデーション、イスラエル・ダンス・ライブラリー(テルアヴィヴ)他
プライベートコレクションを含む多数
